2009年12月15日 10:17
アブダビ、ドバイに8900億円支援 政府系企業救済2009年12月15日1時36分
【ドバイ=吉武祐】アラブ首長国連邦(UAE)のドバイ首長国政府は14日、「ドバイ・ショック」の震源となった政府系企業の救済のため、連邦が首都を置くアブダビ首長国政府と連邦中央銀行から100億ドル(約8900億円)の金融支援を受けると発表した。
声明によると、アブダビからの支援のうち一部は、14日に期限を迎える政府系企業ドバイ・ワールド傘下の不動産開発会社ナキールのイスラム債41億ドルの償還に活用され、債務不履行は回避される、としている。
当地の英字紙ザ・ナショナル(電子版)は今回の金融支援について、昨年の世界金融危機をきっかけにドバイ経済が減速して以来、「アブダビからドバイへの最も直接的ではっきりとした支援」と報じた。投資家の不安を和らげるため、アブダビが積極的に関与姿勢を示す狙いがあるとみられる。
先月下旬、ドバイ・ワールドが債権者に返済延期を要請して経営危機が表面化。資金力のあるアブダビによる支援が検討されていた。